ひまわりの特別位牌を先日お彼岸前に、納めさせていただきました。人生で一番困るのは、死に逝く順番で、残された者の悲しみは計り知れないものがございます。特に自分のお子さんとなればそれは相当なものと思われ、そんな心に関する仕事の依頼でありました。
まだ記憶に新しいニュージーランドでの地震で、23才の娘さんを海外留学で亡くされたご両親からの依頼で、既成の位牌では、どうしても納得がいかず、私の元まで辿り着いたお話しでありました。丁度仏壇の仕事もさせて頂いてた事もあり、半年前から取り組みました。不思議なもので、去年の夏頃、近所のひまわり畑が満開になり、普通は撮影などしないのですが、なんだか皆が同じ方向を見てる立ち姿が可愛くてなにげに撮影をし、ハチも多いのですが、蜜を吸うのに一生懸命で、こちらには一向に興味はなさそうでお陰でじっくり観察までしてしまいました。自分でも何故そんな事をしてるのか不思議でなりませんでした。その時はいつもその事は解らないが如く、今回もそんな事であり、なんとその娘さんは「ひまわり」が大好きでそれを使って欲しいとの事でありました。ひまわりを見ておく事はこのためだったのだと確信し、またそれが天命だとも感じてしまう歳にもなったのだと思えました。位牌は特別仕立てとし、京都の方だったので、京塗り、京位牌に拘り、位牌作りのスペシャリストに協力して頂き、ひまわりの蒔絵を施しました。納品の後、ご両親には感謝の言葉を頂きましたが、掛け替えの無い仕事をさせて頂いたご両親と私に声を掛けて下さったコーディネイトのS女史には感謝しきりでございます。ひまわりをイメージした特別な位牌をどうぞご想像下さい。それはその人の想う事なり。ご冥福をお祈り申し上げます。
最後に、位牌は、戒名、俗名を入れ祈り魂を入れます故、その人本人に成り代わる事となり、事の重大さに身が引き締まる思いでございました。丁度お彼岸にての話しです。